初歩の電算機室設計

クラウドの時代に自社電算機室を持とうと考える会社は少ないだろうが、経験上知り得た知見を共有しておく試み

 

【電源】

 現在の中小規模のサーバは200Vや100Vで動くが、最近のサーバは2系統の冗長電源を搭載しているが、これを同じPDUに挿してはダメ。

 何故ならPDUが故障したときサーバが落ちるからだ。

 過去にスイッチ付きOAタップでサーバに電源を供給しているのを見たが、言語道断である(笑)

 出来るなら電源は2系統用意したい。しかし建屋の事情もあるだろうから、基幹から2系統に分岐し、UPSを2台接続する。

 UPSはバッテリを搭載しているので、行政の火災予防条例を遵守しないと設置の許可が下りないから注意が必要だ。

 2台のUPSからサーバの冗長電源に供給すれば、一台のUPSが故障してもサービスは停止しない。UPSの故障率は非常に低いが、頑丈であるが故に盲点となる。

 

【空調】

 最近のサーバは省電力で発熱が少ないから、空調の小型化も進んでいる。しかし、空間が広いと冷やしきれない場合も多い。

 サーバ全面のコールドアイルとサーバ背面のホットアイルに十分な空間を用意し、サーバラックにはブランクパネルを設置して暖気が全面に戻らないよう注意しよう。

 ケーブリングも空気の流れを妨げない工夫が必要だ。

 空調の故障やリプレイスを考えて、2系統用意すべきだろう。

 

【セキュリティ】

 電算機室は入退室管理がセキュリティの第一歩となる。カード認証も良いが、可能なら生体認証を取り入れるべきだ。

 カードと指紋の安価なハイブリッド製品もあるので検討すると良い。

 監視カメラも必要だが、最近は全天球カメラも安いのがある。

 

電算機室を設計する機会はそうそう無いが、全ての知見を備えた業者は少ないので、委託する場合は、ITとは少し離れた様々な勉強が必要になる。